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郵政非正規労働者の勇気ある決起を支えよう
不合理な労働条件の相違を是正せよ!

 バイクで走ると向かってくる風が、急に冷たく感じてくる季節。年賀はがきの販売も始まり、蒲田駅前の金券ショップには早々に10枚500円の年賀はがきが並んでいる。お歳暮ゆうパック、年賀状の配達の時季が、今年もやってくる。おまけとして選挙郵便の配達までついてくる。民営化以降、株式上場を目指して、経営者は増収に邁進しようなどとうそぶいているが、ますます労働条件が低下するだけで身も心も凍りつき、モチベーションは上がらない。

●法違反の格差放置に業煮やし

 私と同じ制服を着て、赤いバイク、自転車に乗り、同じ勤務時間で、郵便の配達を担当している非正規労働者には正社員と大きな違いがある。向かってくる寒さや、業務内容、量、責任の重さも同じなのにその待遇には大きな違い、大きな格差が相も変わらず存在する。
昨年4月に施行された労働契約法20条は「有期契約と無期契約との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止する」としている。施行後1年以上経過しているにもかかわらず郵政グループは、法の趣旨に沿った格差是正をおこなっていない、方向性さえ示していない。
業を煮やした郵便局で働く非正規労働者12名(東京地裁3名、大阪地裁9名)が裁判に立ちあがった。この裁判で求めていることは、原告の12人がそれぞれ正社員の給与規定、就業規則を適用される地位にあることの確認、過去2年間の給与のうち正社員に支払われ、非正規労働者の12名には支払われていない各種手当を支払うこと、この2点。休暇としては夏期・冬期休暇、病気休暇の付与、各種手当としては外務勤務手当、業務精通手当、年末年始勤務手当、祝日給、夏期・年末手当、住居手当、夜間特別勤務手当、扶養手当の支給を求めている。

●郵政は最大の非正規雇用主

 郵政に先立って、全国一般東京東部労組メトロコマース支部(地下鉄東京メトロの駅売店の女性労働者)が同じく労契法20条による裁判を取り組んでいる。全日建運輸連帯労組でも同様の裁判が始まったときいている。郵政グループで働く約40万人のうち約半分の19万人が非正規労働者。日本全体では全労働者の約36%1906万人が非正規だと言われている(2013年)。非正規労働者が増加するとともに、正規との格差も拡大しているのが現実。

●未来を切りひらく闘い

 だからこそ、郵政の原告のひとりは、裁判に立ち上がるとき、「雇止めにされるのではないか」と大きな不安を持ったという。当然のことだと思う。多くの非正規労働者は声を上げたくても上げられない状況にある。しかし、かれは、郵政だけではなく、全国のすべての非正規労働者の「未来を切り開く闘いである」として決意した。私たちはこれに応えていく、そのために「労契法20条裁判をたたかう郵政原告団を支える会」を結成し、財政的に支えていこうとしている。(11月30日に結成総会を開催)
 「おおたジャーナル」の読者のみなさん、是非、非正規労働者の闘いに注目し、支援をお願いします。

(郵政産業労働者ユニオン 石川喜久・西蒲田在住)

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