ホーム > 2014/10 > 辺野古に基地を作らせない
短い準備・周知期間で500人の参加。
沖縄県名護市辺野古では、8月18日のボーリング調査着手、連日の海上保安庁による暴力という事態を受け、8月23日には現地で「辺野古へ行こう!辺野古浜大集会」が開催され、3500人の参加がありました。当日は東京でも同時に、「沖縄8.23ゲート前大抗議集会に呼応した辺野古基地建設許さない!首相官邸前抗議行動」が開催され、500名を超える参加者がありました。
再び沖縄現地で9月20日に第2波の辺野古浜大集会が決定され、東京を始め各地で同時集会・抗議行動が提起されました。それが本集会です。東京で集会場所が確保できたのは9月に入ってからで、周知にあまり時間はありませんでした。(このおおたジャーナルでも告知できませんでした。)急遽フルカラーのビラを作成し、各集会で配布した他、今回は特にインターネット上での情報拡散に期待し、「ツイッター」に投稿をし、「フェイスブック」ではイベントページを作り、また普段運動関係では馴染みのない方々にも招待をしたところ、「ツイッター」では60人が情報を拡散転送し、「フェイスブック」からは26名が参加表明しました。結果として、500人の参加で渋谷デモを実現することができました。
「基地問題=沖縄差別」の課題へ向き合う
東京における、2回の沖縄現地の取り組みに呼応したこの間の取り組みは、具体的な現地支援が基礎にあり、沖縄県民と思いを共有できる人たちは増えてはいると感じます。しかし、それが状況を変えるほどの広がりかと言えば、まだひとにぎりの存在です。また、「連帯」とは言うけれど、この問題が沖縄差別という関係に根ざしている、という認識ではなかなか一致できていないのも現実で、集会準備過程では集会やデモの方法が未熟だとして、沖縄出身者を多く含む主催者を上から繰り返し「指導」しようとする人々も現れ、主催者の中に憤りが満ちたこともありました。また、集会の主旨では明確に語られていても、たとえばデモのコールでは「沖縄差別を許さない」という文言が無意識に飛ばされてしまうような状況はあるのだ、と痛感もしています。
原発の問題が電気を消費する東京の人間の都合に左右されているように、沖縄の基地もまた東京の人間の都合で押し付けられています。ツイッターで集会の情報を拡散してくれたある人はこんな言葉をそえていました。「建白書と選挙で間接民主主義の限りをつくし、県民大会などの集会でも直接民主主義の限りをつくし、世論調査でも辺野古埋め立て反対が8割越え。法治を越えた政府の弾圧。自由と民主主義を踏みにじり、平和と合法性を越えているのは政府だ。」そのような政府を支えている、犠牲を求める社会、差別に根ざす社会の現実と向き合い、その社会の構成員としては加害者でもある自分たちの日常を具体的に検証していく責務が、私たちにはあるのだと思います。
東京都心でこれからも、大きな集会やデモを準備していくことになると思いますが、そうしたことと同時に、もう少し深く、現状の自分の身の丈を振り返るような機会として、大田区という地域での小規模な集いを準備できれば、と考えています。
(茂野俊哉:沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック運営委員)
■ 集会よびかけより ■
日本政府は、さる8月18日に、稲嶺市長を再選した地元の名護市の民意と、沖縄県民の大多数の反対世論を踏みにじり、辺野古新基地建設にむけてのボーリング(海底掘削)調査を強行しました。
日本政府は、調査に先立ち海上での立ち入り禁止区域を拡大しました。日米地位協定では、海上での制限水域の拡大は、米軍の使用に限られています。今回の日本政府が行う、埋め立て工事のための立ち入り制限区域の拡大は、地位協定の解釈上も無理があり、同協定の目的からも逸脱しています。
海上保安庁は、海上でカヌーで抗議する人々を立ち入り制限禁止区域の外で、強制排除、拘束したり、さらにはカヌーに乗っている人を数名で羽交い絞めにして、顔に傷をつけたり、10日間の頸椎捻挫のケガを負わせる暴力行為を行いました。
陸上では、キャンプシュワブのゲート前で抗議する県民を、機動隊や民間警備員を動員して排除しています。さらにゲート前の公道には、道路占用の許可もとらずに、三角形の突起の並んだ危険な鉄板を設置しました。県民が警察に排除されてころんだら大ケガをします。まさに「殺人鉄板」です。
私たちは、日本政府が防衛省、警察、海上保安庁の権力を総動員して、強権的に県民の声を押しつぶし、基地建設を強行しようとするこの暴挙を絶対に許せません。
日本政府は他の都道府県でここまでの酷いことが出来るでしょうか。明確な沖縄差別です。
沖縄県民は、日本政府による強権を発動しての基地建設の強行にいささかも怯んでいません。日ごとに「絶対に日本政府の横暴に屈しない」と県民の怒りの声が湧き上がっています。
キャンプシュワブのゲート前の抗議行動には日ごとに若者や家族づれの参加者が増えてきています。そして、8月23日には、わずか数日間の準備にもかかわらず、これまで最大規模の3600名の県民が大結集し、ゲート前を埋め尽くしました。9月20に第二波、そして年内には数万人規模の集会の開催が決定しています。8月26日付の「琉球新報」の世論調査では、辺野古中止が80%となり、これまでの70%台をさらに上回りました。日本政府への沖縄県民の怒りはますます高まっています。
こうした中で、私たちは9月20日に、沖縄と呼応して集会とデモ行進を行います。多くの皆さんの参加を呼びかけます。