7月1日から「大田区公共の場所における客引き客待ち行為等の防止に関する条例」に基づいてパトロールが始まった。パトロールは、年始年末以外の全ての日の金曜日以外は、午後7時〜9時、金曜日は、午後8時〜10時に蒲田駅周辺で行われている。パトロールの目的は主に「風俗営業店等」の「客引き・客待ち」行為を防止することだとされている。10月からは、警告に従わなかった人に対して「過料5万円」を徴することができることになっている。
蒲田の町のイメージアップ?
確かに、夜蒲田の町を歩いていると何となく怖そうなお兄さんたちが、黒い服を着て何やら声をかけていたり、派手な服装の女性たちが声をかけているのによく遭遇する。多い日は100人くらいいるのだという。同じような繁華街の新宿や池袋では数年前からパトロールが行われていて、歌舞伎町のパトロールは、当時の都知事だった石原さんも参加して派手なパフォーマンスでニュースになったりしていた。大田区は、今年の3月の区議会で条例が作られ、区が主体となったパトロールが7月から始まった。
東京オリンピックを前に蒲田の町のイメージアップが目的の一つだと思われるが、「雑然としているのが蒲田らしい」という人もいれば「いまどき駅を降りて目の前にパチンコ屋とサラ金の看板があるところは少ない。他は高層ビルや大型商業施設が整然と並んでいる。蒲田がなんか遅れている町のようで恥ずかしい」という人もいる。確かにとなりの川崎駅周辺は、雑然としていた風景がなくなり、「音楽の町川崎」として駅前で歌っている人たちいたりしてだいぶ雰囲気が変わった。蒲田をどういう町にしたいのか?というコンセプトを抜きに「治安」のためにパトロールするという区の姿勢は、何か違うような気がする。
パトロールへの疑問の声も
パトロールは金曜日10時まで、ほかの日は9時までということだが、多くの人から「一次会が終わって二次会で繰り出したり、みんなと別れた後に声をかけられることが多いのに、肝心の時間はパトロールしないのでは意味ないのでは?」「本来警察がやるべき治安維持を何で区役所や商店街が肩代わりしなくてはいけないの?」「風俗店の客引き、客待ちと言っても、普通の飲み屋のチラシまきの人たちが委縮するんじゃないか」などの疑問の声が上がっている。確かに一時期に比べて、風俗の客引きも含めて飲み屋へ誘い込む人たちの数が減ったような気がする。これで「治安が良くなった」と思っていいのだろうか?
(区政ウオッチャーA)