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この間本誌上では羽田空港の新たな展開拡大の動きを取り上げてきたが、その方向を打ち出した有識者会議なるものの正式名称は「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」。メディアはその中間まとめを、あたかもすでに決まった方針であるかのように書きたてた。国交省は国交省で、その先走った報道の仕方を黙認し、(もしかしたら裏で推進)することでこの運用拡大を既成事実のように浸透させようとしていると推測される。 (羽田空港を監視する会・大道寺)【羽田空港ウォッチング】首都圏空港機能強化技術検討小委報告に異議
際限のない運用拡張にノーを
しかし、この中間まとめ自体はそのような性格のものではない。会議名称にもあるようにあくまでも、運用拡大を図るとすれば、としてその技術的条件を検討したものにすぎない。要するに羽田、成田両空港の発着回数をつめ込むための、航空機側の都合だけを考えたやりくりだ。
会議名称にもあるようにあくまでも、運用拡大を図るとすれば、としてその技術的条件を検討したものにすぎない。要するに羽田、成田両空港の発着回数をつめ込むための、航空機側の都合だけを考えたやりくりだ。まとめ本文は資料つきで国交省HP上に公開されているが、それを読んでみれば、先のやりくりだけでも、空港設備や管制方法、、また空路設定(右図に例)など相当に無理を重ねていることが読み取れる。そしてそのやりくりに人の生活は全く視野に入っていない。
例えば運用拡大で結果として騒音被害が拡大することは、このまとめでも指摘されているが、それについてはこの委員会の管轄外、あとは関係地域とよく相談せよ、これがまとめの姿勢だ。このまとめは少しも決まったものではない。財政問題1つとっても難問は目白押しなのだ。
こんな形で無茶な運用を押しつけられたのではたまらない。関係地域そのものとして、大田区からもはっきりノーの声をあげていこう。東京一極集中を続けることはもはや日本全体にとって弊害でしかない。まして大地震が確実であることも考えれば、羽田空港のやみくもな運用拡張は止めることこそ必要だ。なお、羽田空港を監視する会では、今年の生活展でこの問題を訴える予定。
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