沖縄への軍事基地建設が強行される!
沖縄に新たな米軍基地建設を作る、その動きが厳しい局面に入っています。7月20日の琉球新報は以下のように伝えています。
「米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う海底ボーリング調査に向け、施行区域を明示するための浮標灯(ブイ)と浮具(フロート)とみられる荷物を積んだ貨物車が20日午前2時33分、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ第1ゲートに到着した。十数台が後に続いており、数時間以内に搬入を終える見通し。
沖縄防衛局は、新基地建設に反対する住民らによる阻止行動を避けるため、未明の搬入を選択したとみられる。資材の搬入で反対派住民らによる海上での抗議行動を排除するためのブイの設置が可能になった。
沖縄防衛局は台風10号の影響も考慮しながら近くブイ設置作業に着手する。同日午前1時25分ごろ、ブイやフロートとみられる資材を積んだ十数台の貨物車が那覇新港で隊列を組んで、シュワブに向けて出発した。
ブイは19日に那覇新港に入港した貨物船で県内に持ち込まれた。港には、ブイ設置業者のものとみられる業者の荷台もあったが、19日夜までに社名がガムテープで隠された。」
「ブイ設置」とは、今月にも開始する海底ボーリング調査に向け、移設に反対する市民らの調査海域への進入を阻止するための進入を規制するためのもので、水域に進入した場合は刑事特別法の適用対象となります(つまり入っただけで逮捕されるということ)。この水域は、先月新たに閣議決定で設けられたものです。かつてカヌーを繰り出し、海中のやぐらにしがみついて抵抗した「海の座り込み」をあらかじめ締め出し、問答無用で逮捕するためのものです。
このように、抵抗の場が海中から締めだされることになり、基地のゲートでの資材搬入を防ぐための抵抗が始っています。
ジャーナリストの三上智恵さん(標的の村監督)は7月6日にこんなことを書いています。
キャンプシュワブのゲート前。意味不明のゼブラゾーンが道の真ん中に引かれて、路肩に絶対に駐車できないようになっていた。
9年前から毎週土曜日の夕方、静かにロウソクをともして大浦湾を守りたいと意思表示をして来た渡具知さんたち一家が何時ものように道に立つと、ゲート前に待機していた警察がすかさず登場、ここに止めては困ります、という。
辺野古着工、ということでゲート前で監視する住民を見張るために毎日警察がいるようになっているが、たった5.6人の、9年前から家族でやっているささやかなアピールまで威嚇しなくても。
やがて米兵とガードマンが出て来てフェンスにかけたロウソクと横断幕を取れという。たった30分のアピールにそこまで言うのかと撮影してたら制止された。
もっと人が多ければ、横断幕を手に持てば怒られないもっと人が多ければロウソクを手に持って立てば大丈夫。
こんなに美しい大浦湾を埋め立てられたくないんです、と意思表示をすることは誰にも遠慮はいらないはず。
子供たちは、目の前に警官がいて怖い、と言いながらも必死に笑顔を作っていた。ここで萎縮したら、ダメだ。子供たちだってそう思ったんだ。健気すぎて涙か出る。
翌7月7日からは、キャンプシュワブ第一ゲート前での、資材搬入監視と抵抗が始まっています。辺野古に関わる市民ボランティア有志によって運営しているブログ「辺野古浜通信」にはこのような訴えがされました。
【結集を !! 】本日よりシュワブ第一ゲート前での抵抗がはじまります。
今日からシュワブ第一ゲート前での抵抗がはじまります。市民に対する、軍隊と警察が一体となった執拗な嫌がらせが(たまにプチ右翼のも)予想されます。多くの市民が意志を示すこと、目撃者となることが何よりも大切です。一人でも多くの参集と協力を切に願います。
後述の記事にもある土曜日のアピール行動への支援、参加も、子どもたちの安全をはかる上でも、ぜひ重ねてお願い申し上げます。
そして、残念ながら、沖縄ではもう一つの基地建設工事が進んでいます。東村高江のヘリパッド建設です。本当はヘリパッド建設と言うのは正確ではありません。沖縄北部にはすでにたくさんのヘリパッドがあり、使用されています。実際には使われていないものも多く存在します。
今建設しているのは、オスプレイの離着陸に使われる「オスプレイパッド」と呼ぶべきものです。ジェットエンジンの噴射する高熱の空気で火災が発生しないよう、深く地面を掘り下げ砂利を詰め、大きな円周状に整地しコンクリで固めたものです。
こちらも新たな工事が始まり、また工事が終わった部分の運用が開始されようとしています。
高江と辺野古、という、24時間の監視と阻止行動の必要な拠点が二手に分かれざるを得ない状況に、現地の人たちは苦しんでいます。
沖縄の米軍基地問題は、「沖縄の問題」ではなく、私たちの沖縄差別の問題。
よく、「沖縄の米軍基地の問題は安保の問題だ」という人がいます。それを否定するものではありません。しかし、米軍基地の存在が地域の自立性を根底から歪めるものであり、地域の当事者が望まないものであるにもかかわらず米軍基地が沖縄に押し付けられ続ける原因は、私たちの差別にあるという問題を抜きにするべきでないと考えます。「それは安保の問題で、私たちは安保に反対している」と言って済む話ではないはずです。
大田区の足元から、沖縄の基地問題を考え、支援に連なろう。
私たち(おおたジャーナル)は、地域の課題を大切にし、地域の中から考えていくことを基本姿勢としてきました。であるならば、この地域の中から、沖縄に集中する抑圧と暴力を自らに関わる問題として考えていくことも必要だと考えます。大田区では、この20年くらいの間、ささやかながら沖縄の問題を考える集会や行動がありましたが、最近はそれができていません。もう一度足元から沖縄の基地問題を考える企画を準備していこうと考えています。
そして何より、時間のある方、時間の作れる方は、この夏から秋にかけて、ぜひ、辺野古や高江の現地の監視行動に加わり、具体的な支援の輪に連なってくださることをお願いします。
(しげのとしや)