ホーム > バックナンバー > 2014/07 > いまJALが危ない
ベテラン不在、人員不足、利益至上・コスト削減で部品・器材が足りない、仲間不信で・・・
6月19日から23日の5日間、JALエンジニアリング(JALEC・整備専門会社)羽田の機体整備を担う工場で、センター長命で現場の整備作業を中断、管理職を含め整備士全員が「反省」と安全点検のための話し合いを行った。
JALECの整備現場では、2010年経営破綻後、急激な人員削減、特にベテラン整備士の退職強要により、技術力量と余裕が無くなり、抜擢された青年管理職・リーダー達と一般社員の関係に溝が生じる等、整備職場としては由々しい事態が進行してきた。
そして昨年ぐらいから、整備員個人の努力の限界を超えるように、ミス作業や規定違反等が顕在化し、先の工場幹部が「真剣に心配する事態」に至っている。
ミスや不具合作業の背景について「常に管理強化ばかりが先行し、職場環境の整備が置き去りにされています」と羽田センターの整備士は訴える。「隣のA社の使っている車両は常に新型だが、我社の車両はおんぼろで、カーブで助手席扉が開いてしまうほど」「整備士が使用する無線器は故障が半分で、始業時は取合いになる」「飛行機部品も在庫が無く、A社に借りに行く。A社には必ず部品在庫がある」「重量物作業用車両も、5台のうち稼働が2台のみ」と窮状を訴える。それほどまでにケチな経営が常態化し、改善の提言をしようにも上司に睨まれることを怖れてだんまり!というのだ。
さらに会社は管理強化を意図し、社内情報を外部に発信すると処分をすると社員を脅して、確認サイン(誓約書)を書かせている。
反省すべきは、”利益無くして安全無し”とする「稲盛教への盲信」の見直しであり、安全と仲間を大切にする職場づくり、安全のための投資等が緊急に必要ではないか。
乗客と乗員の悲劇に至ることがないよう、労・資に強く望む!
(m)