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2013年度都立高校卒業式のシーズンを迎え、「『日の丸・君が代』強制に反対する大田・市民の会」(以下、「市民の会」)では、例年どおり大田区内都立高卒業式の当日に学校門前でのビラ撒きを行った。以下、簡単にその報告をする。
◇チラシ受け取り良好
今年も3月1日〜11日に行われた大田区内の高校7校(大田桜台高校を除く)の卒業式を対象に、各校に「市民の会」から2〜4人がビラの撒き手として参加し、また昨年に引き続き南部法律事務所の支援を得て、7校全部に弁護士さんに立ち会っていただいた。
当日は、1校に付きビラ300枚を用意し、時間帯は8:00〜10:00で配布した。ビラは、7校の総数で1,792枚を撒き、保護者はおおむね受け取りが良好だったが、教員、生徒は全体としては良くなかった。とくに若い教員が増えたところではそれが顕著に表れていると思われた(蒲田高)。
◇中にヤメロと興奮する保護者も
学校側の対応としては、いつものように@敷地内に入るな、A生徒に配るな、の2点を副校長などが出て来て1、2回言ってくるという、例年と同じ対応だった。ただ、なかには@のみの高校もあり(雪谷高)、「できれば、生徒に配らないで」(美原高)、「節度をもってやって欲しい」(六郷工科高)、「指導要領にのっとって実施しているので生徒には配らないでほしい」(蒲田高)といったところもあり、以前のようにすぐ刑事を呼んで対応する(大森高や昨年の蒲田高)といった管理職の統制が緩んできたのかも知れない。これは「日の丸・君が代」全国ネット(kimi-net)などでも指摘されているが、石原・猪瀬都政から舛添都政への変化の現れと見るのは、やや時期尚早かもしれない。
一方、保護者の対応は受け取りは良好だったが、なかには「(ビラ撒きを)迷惑だから止めてほしい。(日の丸、君が代は)日本人なら当たり前でしょう」と噛みついてくる保護者(つばさ総合高)や、「公道だから撒くな。許可を取っているのか」と立ち会いの弁護士にまで食って掛かり、カメラを持ち出して興奮して「証拠を撮ってやる」と撮影し始めて、「やめなさい」と撒き手に諫められた保護者(雪谷高)もあった。
◇新知事都教委に要注意
若い教員の無関心も問題だが、このような居丈高な保護者の存在も見過ごせない。彼を諫めた『包囲ネット』の方が、「彼らはやたらと写真を撮り、すぐにweb上にアップロードするので要注意です」と言っていたのが気になった。
本来の「教育委員会」の存在を脅かす首長や、憲法九条を反古にする集団的自衛権の閣議決定による解釈改憲は、絶対に許してはならない。そして、現在、自衛隊駐屯地で隊内訓練する都立校が出てきたりするなか、舛添新都知事下の都教委の動向も注視して行かねばならないと思う。
(大田ピースフォーラム・藤田義雄)