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【羽田空港ウォッチング】
「深夜航空機騒音減らして!」住民が陳情

 羽田空港の過密運用がオリンピックを口実に一層ひどくされそうだ。その最大のターゲットが深夜時間帯の運行。すでにかなりの増便計画が動き始めている。しかしその足下には、すでに現在の運用でも深夜の安眠を妨げる騒音に悩まされている周辺住民がいる。区の羽田空港対策特別委員会には、その住民から深夜騒音への対処を要望する陳情書が提出された。以下に紹介する。(本誌取材チーム)

「安眠をさまたげる深夜、早朝の航空機騒音に関する陳情」 (2014.2.25受理)

提出者 石田弥生

【趣旨】

 

 D滑走路を使用できない時、航空機騒音で深夜、早朝の安眠がさまたげられる日が増えています。
 空港周辺の住民が安心して暮らすために大田区として力を尽くしていただけますようお願い申し上げます。
 深夜、早朝の航空機騒音を減らすよう国と都に働きかけるとともに大田区においても環境対策を進めて下さるようお願い申し上げます。

 

【理由】

 

 2010年10月D滑走路が供用開始され3年4カ月がたとうとしています。D滑走路が使用できない時、航空機騒音で、人間としての一番基本のいとなみである深夜、早朝の安眠がさまたげられる日が増えています。
 夜中の12時台、1時台、最近では2時台まで航空機騒音が続きます。
〔北風時〕
 メンテナンス等でD滑走路の使用ができない日、C滑走路を北に向かって離陸し、東京湾上に右旋回する航空機は、短い時には、3分間隔で離陸していきます。遠距離の国際便は燃料もたくさん積んでいるため滑走距離も長く、大きな航空機騒音をともないます。
〔南風時〕
 D滑走路は南に離陸できないためC滑走路を南に向かって離陸します。
 C滑走路が使用できないとA滑走路を南に離陸していきます。
 一番市街地に近いA滑走路で深夜の離陸が続き安眠できない夜となります。
 C滑走路が360m南伸されても夜間騒音の市街地への影響は大きく、C滑走路が運用できない時は、(16RT)A滑走路を南へ向かって離陸すること
は変わりません。

 羽田空港の沖合移転は騒音問題を解消するためでした。
 当時の区長、区議会、地元の方々が真剣に取り組み運輸省や都に様々な要請を繰り返し実現されたと聞いております。地元の環境をよくし、だれもが健康な生活を送れるようにと願っての計画だったはずです。

 2004年 再拡張後の飛行ルート案について「再拡張事業は長年、航空機騒音に悩まされてきた大田区民にとって、更なる区民生活の安全と快適な生活環境向上となるものでなければなりません」と国土交通省航空局長に意見書を提出。

 2007年 海老取川沿いの緑地整備について「旧整備場地区が跡地に含まれていないため、これまで大田区民が強く要望してきた緩衝帯として最も重要な位置を占める穴守橋以北の海老取川沿いについて、区の意向が反映されたものになっておりません」と国土交通省航空局長に要望書を提出し、航空機騒音と航空機排出ガスの緩衝帯としての親水緑地整備の実現を求めておられます。

 子どもたちのために深夜、早朝の航空機騒音を心配せずに安眠できる日が続きますよう、大田区として力を尽くしていただけますよう、お願い申し上げます。

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