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〜小山台高校定時制ふれあいスクールに参加〜
多様な生徒たちと共に満蒙開拓団を考える

●多文化共生の学校づくり

 小山台高校定時制は、東京都教育委員会人権尊重教育推進校として「多様な生徒が共に生きていくために・・・多文化共生の学校づくり」を目指している。定時制高校として、様々な背景をもつ生徒や外国につながる多文化の生徒たちが学んでいる。2月19日・20日とふれあいスクールが行われ、私は高校三年生の教室で「武蔵小山商店街の歴史を知ろう〜東京満蒙開拓団を知っていますか」と題した話をした。

●武蔵小山商店街〜日常の背後にある歴史〜

 武蔵小山商店街は、駅のすぐそばから続くアーケードでとても賑やかな所だ。小山台高校の生徒たちも普段ここで遊び、中にはアルバイトをしている人もいるだろう。このなじみの深い商店街から戦前満蒙開拓団として1000人位の人が渡満し、逃避行の中で約600人が帰らぬ人となったということはあまり知られていない。私たち「東京満蒙開拓団を知る会」結成のきっかけとなったのもこの商店街の事実を知ったからだ。生徒たちにもこの事実を知ってもらい、歴史、もしかしたら生徒の中には自分のルーツにつながる事実かもしれない・・・を学ぶことの意義や楽しさを感じてもらいたいと思いながら話をした。
最初にNHKの番組市民たちの戦争シリーズの「強いられた転業 東京開拓団〜東京・武蔵小山〜」を観た。生徒30名と参観に来ていた人たち約20人が画面に見入っていた。映像を見た後、東京満蒙開拓団の概略について話をした。生徒たちはみんな真剣な表情で話を聞いてくれた。うなずきながら聞く生徒、私の顔やプロジェクターの画像をしっかり見る目がとてもいい感じだった。
特に今回伝えたかったことは、この私たちの研究のきっかけを作ったのは大森高校の生徒と先生であったこと。また、大田平和のための戦争資料展に来た高校生から多摩川農民訓練所の人たちの渡満時の記念写真を見て「兵隊さんみたい」という言葉があったとき、見過ごしていたことを気づかされたことなど、子供たちから学んだことがたくさんあったということだった。伝えていくことは、一方的に教えることではなく、素朴な疑問や知りたいという思い、知ったことでの感動がなければ伝わらないと思う。これからも子供たちの中に、何気ない日常の背後にある歴史や事実を知ることの面白さを伝えていきたい。

●多文化共生社会で生きる市民

 続いて、「多文化共生社会で生きる市民」という授業に参加した。この授業は、生徒たちがビデオを回しながら、大人たちにインタビューするというとても面白い試みだった。はじめは戸惑っていた子供たちも大人たちも時間がたつにつれ自由にのびのびとインタビーをしていた。私もインタビューされたが、その質問の鋭さに驚かされた。はじめは子供の時楽しかったことは何ですか?(答えは、雪の日に授業を止めて近くの公園で遊んだこと)などだったが、消費税についてどう思いますか?世界の人と仲良くするにはどうしたらいいと思いますか?という、考えなければ答えられない、しかも今を感じさせる質問があったことだ。多文化共生そして社会で生きるというたぶんこれまでの授業の反映だと思うが、彼ら彼女らならきっとこの高校で学んだことを生かしていくことができるのではと感じた。
 私は都合で一日しか参加できなかったが、今後もこのような取り組みが続いていくことを期待したい。

(東京満蒙開拓団を知る会・藤村妙子)

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