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最新・捨て犬・猫事情

たまには明るめのニュース

 おおたのみなさん、最近捨て猫や捨て犬は、見たことがありますか。
 筆者は公園での猫の事情などを書いてきましたが、普通の住宅地や路地では、昔ほど見なくなりましたね。それもそのはず都のデータを見るとーーー、

成犬 子犬 成猫 子猫
H元年 8428 5116 2358 20683
H10年 5120   473  1349 11734
H20年  1947    41  1080  3942
H23年   956      2  594  1736

 数字を見てください。約ですが20年前は捨て犬・猫の愛護センターでの取り扱いは、成犬8428が、23年には956頭に。成猫では、2358が23年には594頭へと、激減しています。子犬と子猫についても子犬5116が23年にはなんと2頭に、子猫も20683が1736頭へと大幅に減っていました。つまりは、東京都では、「捨てる人が少しは減ったのか、ようやく先進国に近づいたのか」明るい数字になったと言えます。
 あえて言えば、子猫だけはまだまだ多く、ここに気を配る必要がありそうです。筆者が今までも公園の話等でご報告してきたように、公園に捨てる、あるいは公園等で自然に繁殖したものが多いためでしょう。

少し気になる保護の実態

 そしてここで、更にデータを探すと、より実情が分かってきました。
 都の動物愛護センターのH23年の「収容したものの詳細」です。

【所有者からの引き取り】
  成犬  196
  子犬   0
  成猫  220
  子猫   55
 これはつまりは、センター側が認めた「やむなく飼いきれない」という事情の人たちからの引き取りです。捨てられたものとは違うことに注意してください。飼いきれなくなったという人もずいぶん多いものですね。もちろん、個人の勝手な理由で、の場合は引き取りはしていません。
【拾得者からの引き取り】
  成犬  546
  子犬   2
  成猫   6
  子猫  1647
 こちらは拾得者からの依頼で、です。センターが独自に保護・駆除のための捕獲したものではない、という意味です。上記両方の数字はどう解釈するべきなのか、少し多いようで気になります。特に子猫はまだ多いと言っていいでしょう。
【負傷動物の収容】
  成犬   23
  子犬   0
  成猫  368
  子猫   34
 負傷していて自由には動けない、空き地・路地等にうづくまっていた、というケースと思われます。これらも保護してあげるとは、さすが愛護センターです。

保護のその後を恐る恐るさぐると

 これらの犬猫は、それでは結果としてその後どのようになったか。
 誰しも恐る恐るだが知りたいところですね。その統計も見つけました。
 H23年のセンターの処分状況です。

【来所返還】(飼い主・所有者等が引き取り来た)(ここからの数字は犬・猫の分類しかないが)
   犬  323
   猫   14
【現地返還】
   犬   91
   猫   0
【譲渡】(無事・飼ってくれる人が現れた)
   犬  350
   猫  332
【 殺処分】(残念だ)
   犬  197
   猫  1987
 これらの数字について動物保護の市民団体で活動するおおたジャーナルメンバーのYさんに聞いてみた。Yさんは、主に川崎を中心とした神奈川エリアで
活動している。「一時に比べれば、迷い犬・猫は激減しましたね。また、市民団体で保護したものは、今では早いうちに飼いたいという人が見つかりますよ。しかもこちら側では飼いたいという人たちの厳格な審査までしています」
 それでも、これだけの数は殺処分かーー、とまだ気は許せません。千を超す数字はどうもまだ困ったものと言えます。

法律の整備

 更に、捨て犬・猫について、取り巻く環境的には評価できる対応も出てきた。
 国の動物愛護及び管理に関する法律も「いくらか」だが整ってきました。特に動物取扱業に関する法律については、常識が適用されるようになってきました、夜中まで照明の明るい店舗で展示して売ってはいけません、ともなってきました。

獣医さんたちの協力も

 捨て猫等の「避妊・去勢」には特別の安値で協力してくれる医師たちも今ではかなり現れ始めました。これは動物保護にかかわる人たちには大助かりです。
 それでも役所の数字に乗らない実情もあります。空き地には、例えば城南島・京浜島には、野良猫は今もわんさといます。更に浮上してきた新たな問題は、飼い主のモラルの低下、動物虐待の問題です。これは家の中なのでなかなか見えにくいわけです。アメリカではこれらについても強力に取り締まっています。さーて、「えせ先進国の日本」は、これからどこまで辿り着けるやら。しめくくりに「地球は人間だけのものではない!!野生動物も含め、みんなこの地球で生きていく権利があるのです」。

(区内在住ジャーナリスト.N)

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