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モラルだけでは限界に・野鳥の餌やり
今回ご報告する公園は、50−100坪くらいの主に幼児たちの遊ぶ小規模の公園は除く、中・大規模の公園でのお話しである。
今年はえらく暑さが続くが、やがて晩秋になると、洗足池公園には渡り鳥がやってくる。すると毎年必ず「にわか愛鳥家」たちが何人か現れる。どういう人たちかと言うと、いわゆる好きな時にのみ、気紛れに、鳥たちに餌をばらまき、自己満足している人たちである。彼らは袋に大量のスナック菓子やパンのくずを持参し、水鳥たちに執拗にまき、満足し、得意になって帰っていく。もちろん行政側は、野鳥への「餌やり禁止」の看板をそこかしこに立ててくれているのだが、残念ながらいっこうに効果なしである。同公園では、更に寒い季節になるとカモたちだけでなく、やがてカモメや何故かカラスまで現れるようになる。すると中には特定のカラスに餌を与えてそれらと馴れ合いのようになり得意げの人たちまで現れる。じつは東京都では、ここ十数年、増えすぎたカラスの駆除に四苦八苦しているのに、そんなことはお構いなしで「餌付け」と言うわけだ。単なる気まぐれ、自己満足、その時限り、のこうした行為が、自然の生態系にとって困ったことである理由はここで解説するまでもないだろう。人々のモラル任せではどうしようもない。みなさん、なにか取り締まる良い策はないでしょうか。
自然にも「ルール」はある
自然と生態系について少々学んだことのある小生としては、洗足池公園と飛来する水鳥の数は、現在レベルで限界かとも思われる。増えすぎるとどうなるか、これは東北の湖沼で実証されている。集まりすぎた鳥たちのフンと、撒かれ余った餌の池への溶け込みで湖沼は富栄養化の道を辿り、一時は深刻な水質汚染と自然破壊問題に直面した。じつはそれ以降、あちらでは、「ルール作り」をして、餌やり等をはじめとした各種の管理が行われている。つまり、目的とそれに合った管理とルールづくりこそが大切だ。「思いつき」「にわか」では、やはり野鳥いじめであり、気紛れはまずいのである。
更に違反、自転車でのルール
洗足池公園は、今年の春に、あるエリアについて改造工事がなされた。お年寄り、障がいのある人たちでも気楽に快適に訪問できるように、車椅子で散策できる道が整備された。
ところがここでもモラルなしやルール違反は頻繁に見ることが出来る。この車椅子の道では、一定の場所から先は「自転車走行禁止」と、立札があるが、無視して走り続けるがあとを絶たない。しかもなんと9割がたの人が乗ったまま車椅子の道を走っていく。これはちよーっとひどすぎる。これらを無くす為にこれまたみなさんには、是非ご提案をいただきたいところだ。いや、はや、困った、困った。中には標識をじっと読んでからも平気で自転車に乗り進む人たちも多い。
公園に?まさかの過激派軍団出現?ルールとモラル
更に困った話は、今だにどこでもある捨て猫がらみのお話である。
この公園では、1年ほど前から、午後になると、まるで昔の学生運動の過激派のようないでたちの中高年女性たちが何人か現れるようになった。帽子は深くかぶり、顔には大きなマスク、目には真っ黒なサングラス、つまりは自分たちがどこの誰だか分からないようにしたいでたちだ。その姿にはみんながぎょっとしている。何故なら、じつは同公園では30年くらい前に過激派同士が殺傷し合ったという暗い歴史がある。これらを地元の人たちは知っている。
捨て猫と餌やり
では何故よりにもよってそんな姿で?なのだが、彼女たちのしていることは、なんと捨て猫への餌やりである。それを見てあまりの頻繁の餌やりに、「野良猫が増えて困る、やめろ」と厳しく文句をつけた男の人がいるという。それで女性たちは怖くなったのか、いでたちも顔を隠したとなり、更にある時期から、自分たちにガードマン役の老人男性までつけて、この爺さんも喧嘩腰で歩き、餌やり巡回を継続した。
ちよっとなんかおかしい。これは一体なんなんですか、と筆者はたまげる。「なんかどっかおかしいよですよね」である。もめごととはこうして発展していくものなのだろうか。
解決方法はあるはず
ここでまず言えることは、「自分の家で飼ってやれないものか」である。餌だけ与え続けてーーーは、いかがなものか。次には「飼い切れないものは避妊の手術をしてやるべきではないか」。「生きているものは大切にし、そして野良猫が増えないように避妊をしてやる活動をする」これが正論ではないのか。同公園での本当の事情は知らないが、ただの餌やりなら、問題である。少なくも避妊してやっているという噂は聞かない。先の鳥たちへの「気紛れな餌やり」と同じ部類であろう。ちなみに大田の別公園では「野良猫避妊手術のための募金中、ご協力ご理解お願いします」の看板が出ていた所もある。近所の人たちはこの先頭に立つお年寄りの女性をみんな誉めている。これなら、文句を言う人も少ないと思うのだが。まあ、とにかく、蒲田でも京浜島、城南島でも大田の公園には捨て猫は山といる。また、きちんとした保護活動をしている人たちも沢山いるのにーーー残念。
一方、新設された公園は死の池に?
小池公園の大きな池には、最近魚を中心とした生き物の姿がほとんど見られなくなった。じつは、区は「池の生物たちはそのまま引き継ぐ」と説明会で約束していたのにである。つまり、公園と池を造り直す時に、それまでいたフナや小さな生き物たちは、巨大な別水槽に移し、池が完成した折にはまた戻して元の姿にするということだった。しかし、池は完成後、初めはちらほら見られた魚たちも、今は大半が姿を消し死に絶えた。
これでは大金までかけて生かしておいたコストは無駄遣いであるし、こちらは「行政の側の約束違反」である。それに生き物の姿もない大きな公園や池など意味がない。これではいわゆる都会の真ん中の噴水公園のコンクリートの池と同じである。こうなった理由は某専門家によると、池の底に浄化と称して区が使った「〇〇菌」のせいらしい。この菌では、他の自治体の公園でも生き物たちが根こそぎ死んでしまったことが過去に報告されている。魚ばかりでなくカエルもオタマジャクシもトンボも小さな水辺の生物も存在しない池。これで果たして公園と言えるのだろうか。これはちよっと区民感覚の「公園」のイメージとずれていないだろうか。区に疑問を投げかけたい。
(区内在住ジャーナリスト.N)