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国労第六十三回定期全国大会で継続討議となった「方針(案)の補強」 

方針(案)の補強

I.一年間の課題と闘い(1項)

国鉄「分割・民営化」から十二年、闘いの到達点をふまえ早期解決を実現するために

 解雇撤回・JR復帰をはじめとした労使紛争問題は、来る十月一日に国鉄清算事業団の解散・鉄建公団への業務等移管を控え、極めて重要な局面を迎えている。
 本年五月二十八日に東京地裁民事十一部・十九部が採用差別事件について不当判決を言い渡した。内容は、中央労働委員会命令を取り消し、日本の労働委員会制度をくつがえす内容であり、断じて許すわけにはいかない。
 しかし、この十年余の私達の闘いの到達点としての「政府の責任での解決」という事については何人も否定できないものとなっている。
 われわれは、労使関係に関わる懸案問題を全面的かつ早期に解決することとする。

1. 到達点の現状

(1) 国労組織内の闘争体制の確立
 @闘争団員・家族
 AJR職場の組合員
(2) 共闘体制の充実・強化
(3) JR内の労使関係状況
(4) 政・財界・労働界、マス・コミも不採用問題について解決を示唆
(5) 政治…「解決済み」から「解決課題」へ、「与党協議〜政党間協議〜三人委員会」
(6) 国鉄清算事業団長期債務処理法案と同事業団の十月1日解散・業務移管

2.解決局面から解決へ

 私達は、この十年余の間、全力で闘いを進め、前述した解決に向けた情勢を築き上げてきた。この時期に、政府の責任による解決を求める運動を全力で展開する。
 第一に、私達は、国鉄改革法により国鉄が分割・民営化され、推移しているという事実の上に立ってこの間、運動を進めてきた。
 二百二億円損害賠償請求事件の和解時や、一昨年八月三十日のJRへの申し入れ、昨年の第六十二回定期全国大会等々の態度を堅持し、国鉄改革法を認めることを明らかにする。
 国労は、「鉄道交通政策」を提言してきたが、清算事業団の長期債務処理や三島旅客会社及び貨物会社の経営改善等の未解決問題の解決に向け引き続き全力をあげる。その上にたって、健全かつ正常な労使関係を確立し、二一正規の基幹鉄道として持続的に健全な発展に寄与する。
 第二に、採用差別事件の解決とともに、JRに移行してからの不当労働行為係争事件については、中労委及び裁判所において、一部であるが和解による解決を進めてきた。JRに移行してからの係争事件の解決に当たっては、当該エリア本部とJR各社との間で交渉を重ね解決を目指すこととする。
 第三に、組織のあり方について、国労組織の現状をふまえ、将来を見据え、懸案問題の解決の上に、産業別労働組合の組織化を展望して名称等を含め論議していく課題とする。この課題については、全組合員の意見を聞きながら組織検討委員会で検討する。
 第四に、当面JR各社の労働条件の改善に向けJR連合傘下の各単組に対して共同行動を働き掛ける。そして、正常な労使関係の確立を求め、JR東日本の異常な労使関係を変えるために全力をあげる。そのために、あらゆる共同行動を進めていくよう呼びかける。
 第五に、組織内外の総団結・総決起の下に自民党を始めとするすべての政党に対する要請を強め政府の決断を迫り、JR各社に対しても胸襟を開いて解決交渉テーブルに応ずるよう働きかける。さらに世論を喚起し解決の気運を盛り上げ、一日も早い解決を求める決意をここに表明するものである。

(以下略)


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